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Coaching the Core through the Sports Education


by sportssmart

ビバ!優勝!優勝させました!子供のスポーツコーチ、小学校の先生たちに。

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 きのう27日(日)は市原のちはら台にあるラグビー場で千葉県の小学生タグラグビーの全国大会(サントリーカップ)に続く予選会に行ってきました。
 この試合の写真は次に掲載します。(子供の写真掲載には何かと気遣いが必要な時代ですのでネ) 
 さかのぼること5年前、長生村にある小学校で私達の「人として大切なことを伝える教育プログラム/出前ラグビー授業」を行いました。これが縁でクラブができたのですが、最初の頃は他のクラブにあぶれた子供用に「試に…」程度の扱いでしたがこれがなかなかの人気で5年も続いているわけです。クラブといっても1月に一度か学期に数回あるかないかのクラブです。それでも学校外から来るおじさんコーチを楽しみに待っていてくれます。そんな子供達を引き連れて村のバスを手配してもらって出かけたわけです。
 田舎ののんびりした子供達ですから何をやってもオットリです。言い換えればトロいのですが…もっといえば外部の刺激に弱い子供達です。
 他のチームを見て、強そう、勝てない、を連発です。付き添いの先生も、やけに興奮しているのが取ってわかります。会場の状態、相手の状態、子供達の状態、進み状況 何も見ないで試合大会だからといって闇雲に勝ちに走っているのが手に取るようにわかります。やれ行けやれ行けってむやみやたらにハッパをかけるのです。この学校の先生ばかりでなく、どこのチームの学校の先生らしきコーチたちも一緒です。やけに勝負にこだわって勝てや勝てやとはやし立てています。
 私から言わせれば子供のスポーツチームのコーチとしてはあるまじき行為で、みっともないことなのですが………
 自分のチームが得点されれば審判にいらぬクレームをつける始末。また、審判もこれに振り回されてジャッジを覆す始末、お粗末な指導者を見て、それこそ、一応はプロフェッショナルを職業としている私としてはあまりいい気持ちではありませんでした。
 さて、我がチームは、今年初めてクラブに入った4年生を中心とするチームは負けても負けても試合することをドキドキ楽しんでくれたようです。これといってなんにも教えていません。「ボールをもって、タグを取られないで相手陣地にボールを運んで芝生につければいいんだよ。もうひとつ大事なのは、相手チームに自分の陣地にボールをつけさせなければいいんだよ、そのためには相手のタグを取るんだよ。あれこれ余計なことはしない考えないで、思いっきり走って走って逃げまくれ!」って言ってやりました。この年代の子供にとってはかなりきつい運動量になるので水の補給と休ませることのタイミングだけは上手く調整しました。はじめてのパス、初めてのトライができて大喜びでした。
 さて、去年から継続して経験のあるメンバーで構成したチームはこれも、あれこれ作戦を立て、サインなどを決めているチームが優勢をかけてくる試合の中で、『単純にボールをもって捕まらないように逃げながら前へ進む、仲間はいつでも後ろについているから困ったらパスしろ、信じて走れ!』
って、それだけのことを言っただけです。
 子供達に言ったことはこんなことです。
「スポーツには必ず勝ち負けがあるんだよ。負けても勝ってもあとからごちゃごちゃいうな、あれこれいわなくてもとても気持ちよく終われるように力の限りやりまくってこいよ!」って。
 さてさて、試合が進むに連れ、なんにも言わないで、ひたすらに子供達が全力を尽くすだけの我がチームは一位で予選リーグを抜け、決勝リーグへ。次に対戦するチームの素晴らしい活躍ぶりを目にしてすっかり弱気になっている子供達。これ(弱気になっている子供達)を見たら嫌になってしまいました、こんなことですぐに弱気になって「勝てる?勝てっこないよねェ~」。 なんてこった!今の子供達は………
 ゆっくり回復させる時間を計算してベンチに引き上げさせ、水を入れ、こう言いました。
「みんな鏡を見たことある? 鏡の中の自分をどう思う? かっこよく見える人? かっこう悪い自分がいる? 鏡の中の自分もここにいる自分も同じ自分なんだよ。君達は自分の試合中の姿は見たことないけど、先生から見ても、試合を見ている人みんなからみても、あのチームと同じように速いし、すごいし、上手いし、強いし、かっこよく見えるよ。あれ以上だよ! 鏡をみせてやりたいな」って。
 「さぁ、体を動かそう」と動き始め更なる機敏な動きを引き出すアップを少し、しました。そして、みんなでエンジンを組んでキャプテンの一声でみんなが元気にそれに続きました。
 さてさて。試合は子供といえど白熱し、先制点を取られ、追いつき、加点され、追いつき、同点になって最後の逆転で事なきを得ました。子供達の喜びようはそれはそれはの大騒ぎでした。
 それに輪をかけて引率の先生が大喜びで大騒ぎ。なんてこったぁ~ってな感じです。
 大切なことは、自分達に与えられた条件の中でひたすらやるだけのことです、ひたすらやったあとに結果がついてくるだけのことです。やるだけやったら結果について受け入れるだけのことです。
 私は、審判をしながら、最終決定戦は線審をしながら、最後にとてもいい気持ちになれることをイメージできていました。
 それは、なによりも、どこのチームよりもコーチの私と、その小学校の指導をお任せしている私のラグビースクールの監督もお任せしている監督さんの風格というか、グランドでの物腰、存在が群を抜いて落ち着いていたからです。
 その落ち着きの裏には、今学期始まってわずか1回のクラブ時間で今日は2回目の子供達にいい体験をさせ、素晴らしい1日をプレゼントできれば自分達のきょう1日も最高 ぐらいな欲のないスタンスでいたからだと思います。そして、どこの監督コーチより子供優先で、子供の状態をいい方向へもっていくことだけを心がけていたからではないかと思います。
 試合といえばどうしても勝ちに急ぐのが当然です。いらぬ狸の皮算用も当たり前のことでしょう。でも、ひとつ、気付いてもらいたいのです。子供達にとっていいモデルであること。先生は勝ちに走ってはいけません。先生は負けるつもりで子供に試合をさせてはいけません。先生は馬鹿な応援団長になってはいけません。
 勿論、思いの中では今日1日をイメージして気付かれぬように勝ちに導くことはスポーツ指導者としての当然のことです。その中に、勝ちにこだわるよりもっと大切なことがあり、もっとシンプルなことがゴールと喜びに近づけることになるということを知っておくべきでしょう。
 ひたすら、信じて待つのみです。 グランドに入り込んで、タッチライン上を走り回って、大声で指示して怒鳴りまわって、挙句の果てには主審にクレームをつけて、…… これが小学校の指導者かと悲しい現実を目にしました。
 それでも、真っ直ぐに無欲に、夢中に戦っていい気持ちになれてとても幸運な一日でした。もし、ロスしていたとしても、いい1日には変わりはなかったと確信します。
 千葉県のラグビー界、ばかりでなく、日本中の子供スポーツの指導者コーチの資質については一度原点に戻して考えなければならない大きな問題があるように思えてなりません。
 小学校の先生方、身に覚えはありませんか。貴方達はいつも子供達のよいモデルであることが大切です。それができないか、苦痛なら、はたまた、そんなことが身についていないのならその仕事に就く資格はないのですよ。
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 インターナショナルスキープロフェッサーズコネクションチームのチームコーディネーター兼ヘッドコーチの仕事は世界中からのコーチの言葉と文化習慣とで、大きな壁を挟んでいるけど、とても刺激的で素敵な感性を楽しめます。
共通しているのは誠意とタフ、真っ直ぐな心、それにThanks(感謝)と Respect(敬意)

by sportssmart | 2010-06-29 01:54