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Coaching the Core through the Sports Education


by sportssmart

東北関東大震災に思う。こちら嘘のように平和です

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私の住む処は嘘のようにのどかです。

 

東北関東大震災、発生から10日が過ぎました。
寒空の中で、一瞬にしてすべてを失った被災地の皆さんにはただただ祈るしかありません。

 電気が止まり、電車が止まり、通信が途切れ、道路が寸断し、空のダイヤが乱れ、燃料が切れ、暖房も止まり、足も連絡も何もかもがストップして、ひたすら時間の過ぎるのを待つしかない状態が続きます。
 少しづつすこしづつ回復に向かい始めている知らせを聞けるようになってきましたが、被災地の方々にはまだまだ大変が続くのかと予測されますが、今の私には何の力になれることも見つかりません。
 いたたまれない「思い!」だけでいたずらに動くことは出来ません。

 多くの方々がささやかでも「思い」を動かし、何か出来ないかと小さな一歩を踏み出しはじめています。
 この小さな一歩が大きな恵みを生み出すことは予想がつきます。

しかし、いつの段階で、どの段階で動くことがいいのか……
遅れれば命取りになるし、急ぎすぎると届かないし・・・・・・

原子炉爆発と放射能漏れにニュースはかぶりつきです
原因を探り、責任を求め、素人には到底難解な仕組みを解説し続けています

と言っても今の私には「思い」の他は動く足も金も何もありません。

あるとすれば・・・・・・
山登りや野山を歩くこと自然の中での活動を専門に学び、体験し、大小の集団を動かし、度々の危険や遭難を経験してきた知識と経験が人を安全に導き生還へのお役に立てるのではあれば幸いです。

 人類が経験したことのない大地震と大津波をいっぺんに受けたのですから、山も木も道も家も、電気も電話も 頑丈であったはずの原子炉格納庫も冷却ポンプも 何もかもが誰の責任でなく、何の原因でもなく破壊されたのです。

まず、このことを最初に私達は受け入れるべきでしょう。

自然の脅威が収まり、地殻や天候が回復に向かい、晴れ間が出たとき、ここからが生還に向けての戦いになります。

 雪山で遭難し、右も左も上も下も、天も地もわからないほどのフォギー(霧)の中で数日を過ごしたことがあります。
 どうなったのか、生きているのか死んでいるのかさえ自分自身も何も考えられないうちに時間は過ぎていきます。その時間の過ぎていっていることさえ感じられません。
 そこにあったのは親からもらった体と「運」ひとつであったように思います。
勿論後になって鍛えていた基礎体力であったり、気力であったりと理屈がましいことは付け加えられるのですが、そんな理屈や論理で助かるものではありません。

気がつかないうちに這い上がり本能的に仲間の消息を探し、ストックの先にぶつかる硬いものを感じたとき、夢中で地面をほじくる犬のように雪をかきだしていたのを覚えています。
 どのくらい経ったか定かではないが、友の体を掘り出し、抱き合って泣いた経験は鮮烈です。
 不思議なもので、自分だけでなく仲間と二人になったときからは、周りを見渡し、状況を考え道具になる物を探し、目安をつけての救助行動を冷静に行ったことを覚えています。
 しかし、そのとき、自分が怪我していたことも寒さに震えていたこともまったく覚えていません。
助かってみて、あとから寒さに震え痛みに耐えかねた記憶があります。

自然は偉大でです。
自然は私達に多くのこと教えてくれはするけど、
私達人間は自然を自由に操ることなどできはしません。

 こんなときでさえ、自然さえも支配しようとする企みをもつ人間の浅はかさです。
こんなときでさえも、何でもどうにでもなるくらいの「何とかなる・何とかしてくれる」くらいの他人頼りの日本という国と日本人というものが見えるような気がしてなりません。

私が、現地に我先に入ることが出来るなら、まず先に唱えることは「耐えるとき」の「仕方なさ」と「ときを待つ勇気」の「要る」ことでしょう。
何といおうと、何を叫ぼうと人知を超える偉大すぎる自然の力には勝てないのです。

今回は小さな小山のハイキング中の迷子や捻挫程度のことではないのが現実です。

自然の中に雷が落ち、野火に追われた動物達も数頭の群れは犠牲になっても生き延びる群れもあります。
何日も続くスコールの中で生還する耐力と知力に勝る生き物もいます。

 いまこそ、日本という国、日本人、を超えて人類が英知を結集しこの自然の驚異を克服し力をあわせて生還する大きな挑戦のときと思います。

 それぞれの道の専門家が英知を結集して難問を解き、それぞれが力をあわせて耐えるときと耐えることが求められています。

 あれやこれや求めることばかり、誰や彼やに責任をなすりつけている場合ではなく、待つべきは待ち、耐えるところは耐え生きる知恵と力を発揮するときではないでしょうか。

ましてや、国の安全国民の安全を第一に考えなければならないはずの政府が、党利党略を超え一致協力して向かわなければならない局面です。

誰しもが知っているこの段に及んで、その本質を見抜かれるようなことは避けるべきときです。

誰もサボっているわけではありません
誰もが、今出来ることに向かっています。

道路が隆起し、陥没し寸断し、輸送の手段が途絶えました。
電力も破壊され、配電が届きません。

自衛隊が総力を挙げて支援に当たっています。
国中が「思い」を伝えようとしています。

日本という国、日本人が試されています。

 こんなとき、一気にリーダーシップを取れる人がひとりでも居てくれると多くの人は心の安泰を感じます。
集団の導きが必要なときです。

こんなとき、ニュースは期待する美談を求めて予想される答えを期待したインタビューを試みたりしています。
何を伝えるべきか、何が先決事項か、報道の使命はどこにあるか
わが国における普段からの報道のあり方も暴露されるときです。

 実際の、突然の自然の脅威の中から蘇るということは、そのひとつひとつに説明など出来る状況ではないのです。
そのことを、私は身をもって知っています。

自然の脅威と、自然の驚異。
これを知っているからこそ、自然に敬意がもて、嵐の中で耐え待つことが生還につながる最善の行動であることを知り、暗闇の恐怖に、いつになるかわからない恐怖に勇気を奮い立たせることが出来るのです。

経済力と乱立した(見せかけの)学校(教育)にモノをいわせて、
何でも支配し、何でもどうにでもなるくらいの思い上がりの風潮を醸成してきた教育先進国日本に、
どうにもならないことがあることと、
人間の底力こそが生きる最後の手段であり、
人間として、もっとも必要とする準備すべき「教育」は何かを考えさせられるときではないかと思います。

この期に及んでも、この最も奥深くにある「核心」に気付かぬままに、
物理的解決だけが先行することは人として大事な学習をしないまま卒業していく今の大学生高校生、はたまた子供達に似たことになります。

いませねばならない専決事項を優先し、被災地の救済に全力を注ぐべきときです。
この学びの機会に自ら学び、気付かなければ、この先には何も残りません。

こんなときでも、我先にと急ぐ者がいるかと思えば、他人事の者も見かけます。

「耐えるとき」というものがあることを自然は訓えてくれます
「力をあわせるとき」というときがあることを訓えてくれます。
自然は「知力を働かすとき」を与えくれます。

雪山に登ったり、滑り降りたりが仕事のひとつの私ですが、山にいるときの私は精悍で幸せです。
自然とうまく気持ちよく付き合い、力づけてくれ、慰めてもくれます。

いまは、山に近づくことも許されないくらいにいろいろな条件に不足しています。
何も出来ない自分にただただ耐えるだけの自分です。

しかし、たったひとつ、出来ることが残されているとすれば、ともかく、今の現状を耐え抜くことの重大さを伝えることです。

私には「耐える・待つ」底力を経験的に持ち合わせています。
じっと耐え、待ち、いまだ!という時を逃がさずことに及び、「生還」したいものです。
こんなとき、傍にいてでたらめに大騒ぎする者がいたとすれば、生還は危ぶまれます。
危ぶまれる生還にも勇気をもって挑戦せねばなりません。

この停電、不通、物不足の麻痺状態の中で、
私の仕事も相次ぐ中止キャンセルを余儀なくされました。
大きな痛手です。

しかし、被災地の皆様に比べればなんのこれしき!

仕事のない分、時間はたっぷりあるのですが善意のボランティアが出来るほどの軍資金がありません。

日本には世界に冠たる企業がいっぱいあります。
たとえすっからピンになったとしても、
いまは富める者が多くを負担すべきときではないでしょうか・…・・・
そこまで及ばなくとも、それに近い動きは感じません。

もし、私が富める者ならば・・・・・・・・・・・・
気持ちだけが先走りする思いです。

「無い」からいえるのかもしれませんが・・・・・・・・

自然の成せるワザに多くの人が傷つきました。
自然のなしたワザに、人間の無鉄砲な思い上がりを感じました。
(核燃料や核開発、放射能拡散などなど・・・・
 ・・・・・自然の脅威を無視した行為や開発・・・など等・・)

自然の偉大さに調和する、人知の結集を期待します。

そして、被災地の方々に自然への挑戦は耐えることから始まることを
私の経験を通してお伝えすることで
私の出来るお手伝いに代えさせていただけるなら幸いです。
by sportssmart | 2011-03-21 19:32